前回はThunderbolt 4 AICの購入とセッティングまで書いたが、間違いが2点あり、セッティングを見直すこととなった。
どちらもThunderbolt 4 AICのマニュアルを見直して気がついたことである。
1点目はジャンパースイッチ。
出荷状態ではIntelプラットフォームのセットアップとなっているけれど、実はAMDプラットフォームで使う場合はForce_PWR1の設定を変更する必要があり、ジャンパーを2-3から1-2に変更するみたい。この変更によってなにが変わるのかは説明書からは正直読み取れなかったが、マニュアルに合わせて変更しておいた。
2点目がとても重要で、Thunderbolt 4 AICを刺すスロットの変更。PCI_3からPCI_2に変更した。
実はこのこと、マニュアルに書かれていることは知っていた(Thunderbolt 4 AICのだけでなく、B650 LiveMixerのマニュアルにも書かれている)が、PCI_2にはInno3D RTX4070Ti X3を刺したかったし、PCI_3で使えれば収まりもよく、最初の利用用途としたUSB-C on DPは使えたのでそのままPCI_3の運用をはじめたのであった。
問題に気がついたのは、eGPUを接続したときだった。
eGPUでの運用も確認しておきたく、Thunderbolt 4 AICにつないで確認・検証をしようと思い立ち、いったんInno3D RTX4070Ti X3を外してeGPUユニットであるeGFX Breakaway Box 550に放り込み、つないでみたら認識しなかった。
eGPUで動かした実績のあるONEXPLAYERのUSB4ポートにつないで確認したところ認識してGPUを使用できたので、eGPU側の問題でないことがわかった。そしてPCIeトンネリングが無効であるから認識しないんだな、というところも当たりがついた。しかし、マザーボードの設定としてはThunderbolt Supportという項目ぐらいしか心当たりがなく、これはEnableに変更済みなので、マザーの設定によってPCIeトンネリングができないということもなさそう。
そこで冒頭の「マニュアルを見直して」に繋がってくる。
途中に触れたが、そもそもB650 LiveMixerのマニュアルに「PCI_2にThunderbolt AICカードを取り付けてください」という説明があることは知っていた。UEFIの設定画面をいくら眺めてもPCIeトンネリングが有効になりそうな設定は見当たらなかったので、ふとこの説明を思い出し、Thunderbolt4 AICのマニュアルを見直したら、こちらにもB650 LiveMixerではPCI_2で使え、とあった。
そもそもB650 LiveMixerのPCI_2はCPU接続のスロットで、PCI_3はチップセット接続の上、M.2のスロット3と排他関係にあるスロットである。なのでPCI_2に変更すればPCIeトンネリングが有効になると思いすぐに試したところ、あっさりと有効になり、eGPU運用もできた。
原因がわかってよかったのではあるが、マザーボード上でのGPU×2 + Thunderbolt 4 AICという運用の夢は諦めなくてはならないことも意味していた。いや、一応PCI_3に1スロット厚のGPUをつけるという道は残っているが、そうすると2スロット厚のInno3D RTX4070Ti X3の立場は微妙になる。
ちなみにeGPUでこのGPUを運用してもかなり強力であり、もともとサブGPUとしての運用として入手したので、eGPU運用でもよいかとも思ったりはする。4070Tiはそこそこサイズの大きいカードが多く、自分の使うeGPUユニット「eGFX Breakaway Box 550」はそこまで大きいカードが入るわけではないので、4070Tiの中でかなり小型に位置する本カードを持つ意味は大きいし、場合によってはA1 PrimeのDUAL-RTX3070-8Gに換えて搭載することもできる。もちろん、Thunderbolt 4 AICを外してPCI_2に戻すこともできる、が、これはThunderbolt 4 AICが全く使えなくなるので取りたくはない手段だ。
これでまたひとつThunderbolt 4 AICの運用知識がついたのと、eGPU運用がちゃんと動くことが確認できたのは収穫。このまま動画編集を中心にInno3D RTX4070TiのeGPUを運用してみて、思うところや気づきがでてきたらここに記していこうと思う。